「ルードヴィヒ 完全復元版」
ミュージカル「エリザベート（東宝版）」の終盤「バイエルン国王ルードヴィヒⅡ世、湖で水死体となって発見」というセリフがある。本作は彼の人生を4時間使って描いた大作である。
先日鑑賞した「エリザベート1878」でも登場した人物であるが、あちらほど前提知識が必要な作品であるとは思わなかった。伝記映画としてだけではなく、彼の精神が蝕まれていく様を4時間たっぷり描いているので、物語としても非常に興味深く一度も飽きる暇を与えない。
煌びやかな衣装や豪華絢爛なセットはもちろんのこと、惜しくも今年亡くなってしまったヘルムート・バーガーやエリザベートを演じたロミー・シュナイダーらの演技を見るだけでも十分に価値のある作品である。ぜひ劇場で鑑賞する機会が欲しいので、午前十時の映画祭等で上映して頂ければと思う。
