ルートヴィヒ 完全復元版の作品情報・感想・評価

「ルートヴィヒ 完全復元版」に投稿された感想・評価

tomひで

tomひでの感想・評価

3.0
4時間はちょっと辛かった。
映画の中身とは関係無いが、登場人物が発する言葉と口パクのズレが気になって気になって映画前半はなかなか入り込めなかった。

ただエリーザベトがルートヴィヒの城を訪れるシーン、真っ赤な絨毯が引かれた白い階段を登るエリーザベトを捉えた引きのワンカットは「凄い!」の言葉しか出ない。本物の背景で撮るとはこういう事なんだと思った。ヴィスコンティしか撮れないワンカットだと思う。

このワンカットで目が覚めて(笑)ここからラストまでは一気に見せられた。ヴィスコンティ作品なので背景となる城、絵画、宝石、調度品などの本物っぷりは間違いないので、もう一回見直せば好きになるのかも…。

思えば自分がヴィスコンティ作品で超絶に好きな作品「ベニスに死す」もハマったのは2回目だった。しかしまた4時間か…(笑)
“狂王”と呼ばれた王の生涯。


ヴィスコンティの「ドイツ三部作」の幕引きとなる本作。
ヴィスコンティ史上最も長い、四時間もの時間をかけた本作(復元版ということではあるけど)。
きっとヴィスコンティは、ルートヴィヒ二世という人物に自分を重ねていたのかもしれない。

異常なまでに豪華なセットには、当時の貴族生活が垣間見えるようでこだわりがすごい。
地下に白鳥の湖を作るセンスよ。
ヘルムート・バーガーの演技も強烈で、序盤での美青年ぶりは、当時のルートヴィヒ二世をも思わせる。
写真見る感じそっくり!
しかし、後半から精神的病が噂されるようになってからの彼は、明らかに危うくなっていく。
歯はボロボロになり、髭は伸ばしっぱなしで、国政に興味を失う。
18歳という年齢で王位に就いたが、41歳という若さで謎の死を遂げたこの王は、どんな人生をたどっていたのか。


芸術を愛したルートヴィヒ。
敬愛するのはワーグナー。
金ばかりの下衆な民衆たちは、なぜ芸術の良さを理解しないのか。
戦争ばかりのこの時代、なぜ平和というものは訪れない。
「私は幻想に胸を膨らませた人間。」
男ばかりを愛するようになった彼は、内部のものからはあまり良い印象を抱かれていなかった。
国政にも関心を示さず、結婚もせず、戦争にも反対しているからだ。
国民には人気があったという。
戦争に反対していたし、結果として戦争には破れてしまったわけだからね。

エリザベートという、ルートヴィヒとは従姉関係である女性は強く美しい。
彼が生涯ただ一人愛した女性は、彼女しかいない。


望んではいなかった王位の座へ。
望んではいなかった戦争へ。
模索する生き方と人生。
孤独が付きまとう苦しみ。
この時代に生まれていなければ、きっと今は芸術に囲まれた幸せな人生を送っていたはず。

重厚に描かれながら、破滅へと向かっていく男の姿。
栄光のように感じられた一時の時間は、いつしか裏切りによって、闇へと姿を変える。
芸術を愛し、孤独な運命を背負わされた王は、いつしか死の臭いを漂わせる。

王である限り、私は私という生き方はできない。
ルートヴィヒ二世とは、王という立場でしか生きることは許されないから。
kiyonaga

kiyonagaの感想・評価

5.0
2018年最後の作品
瞬く間に終わってしまった。
この長編大作の鑑賞は四時間で終わらせるべきではなかった。もし何日にも分けて観ることができていたら、ルートヴィヒとヴィスコンティの創り上げる耽美的で退廃的な非日常体験をより長く享楽にできたのかもしれない。
とくに印象に残っているのは、精神病で変わり果てた弟と病棟で対面するシーン。そこから憑ったようにルートヴィヒの奇行が加速してゆく様は儚いの一言に尽きる
axuaya

axuayaの感想・評価

3.6
映画館でなら緊張感を持って観れたかも。
自宅ソファでマッタリだと4時間は...3回挑戦したが全て寝落ちしてしまい、最後にはチャプター毎に見逃したところを確認する作業となってしまった。
イタリア語って言うのも聴きなれず寝落ちの原因かも。
ヘルムートバーガーのルートヴィヒの青年期の美しさから中年期の落ちぶれた姿まで演じたのは凄い。2012年版は途中から誰あんた?って思うくらい俳優がかわってゲンナリしたから。
ノイヴァンシュタイン城でガイドさんから『長身イケメンなのに生涯独身でワーグナーに傾倒し、国費で城ばかり作り、最後は1mの浅瀬で医師とともに謎の死を遂げた』と聞き、どうしようもない国王だな!と思ったが詳細を知りたく観たいと思った。映画を見てから城見学がいいのかもしれないが、私は逆で良かった。城の美しさだけに集中できたから。
イタリア映画界の巨匠・ルキノ=ヴィスコンティが、バイエルン王国第4代国王・ルートヴィヒ2世(1845-86)の青年期から死までを綴った240分の歴史超大作です。
ドイツを舞台にしたドイツ三部作の最終作であり、ヴィスコンティを代表する1本。
この映画の最大の魅力は、近世ヨーロッパ貴族の絢爛豪華な衣裳や建築物を忠実に描いている美術的側面にあるのではないでしょうか?その豪華さはエリザベス・テイラーの『クレオパトラ』を連想させるほどです。
240分は確かに冗長なような気がしますが、ルートヴィヒ2世の生涯を端的に捉えるのに勉強になった映画です。
ルートヴィヒは本当に美しかったのに中盤くらいから歯が汚くなった。歯の汚さも史実なの?そこだけ受け入れられない。

狂王って言われてるらしいけど暴君とはまた違うような。根本的に悲しい人で庶民だったとしても幸せにはなれなそう。序盤は若さ故の過ち、歯が汚れてからはガチの狂人というか、病気。神話に出てきそうな木に裸体の男囲ってるのはちょっとね。。

決して明るい気持ちにはなれないけどドイツ行く前に観といてよかった。


ドイツ行くとジワジワ来る!評価上げます
McQ

McQの感想・評価

3.6
またまたヴィスコンティ監督作品をば、、ドイツ三部作の二作目をすっ飛ばして三作目。

狂王と呼ばれたルートヴィヒ二世の悲劇(約四時間かけて、、)

ノイシュヴァンシュタイン城そのものが芸術でしかないけど、衣装からメイクから、細部に渡り抜かりなし!役者陣の演技も中々濃厚。(何気にジョン・モルダーブラウンも登場)

特にバーガー氏の後半での変貌っぷりにはギョッとする。(まるでジャンキーのよう)

序盤から引き込まれたものの、あまりの長さに集中力激減、、
堅苦しさに疲れ、途中からどうでも良くなってきた!苦笑

終盤のオルゴールのシーンが印象的で、このシーンだけ二回観た。
シネマスコープ

イタリア語(?)ってあまり口を動かさないで言葉になるんですね...映像の口の動きと合っていないように見えたり合っているように見えたり もしかして音声はイタリア語、映像はドイツ語だったり?そんなわけないか
この監督、やたら美少年を使う...(ベニスに死すなど)ジョンモルダーブラウンくんイタリア語が堪能でびっくり
sacchinn

sacchinnの感想・評価

2.4
美術はすごいけど、それ以外のよさはあまりわからない。歯が虫歯だらけで真っ黒だったり、洞窟の中にへんてこな舟浮かべて遊んでたり、面白くなりそうな場面はあるけど、なんかいまいちだ。ヴィスコンティってまじめなんかな。長い。
長かった… 二択で迷った「家族の肖像」にすれば良かった。自分には一生ヴィスコンティの良さを分かる事ができないのかもしれない。

とはいえ、そこだけでもお金を払う価値があると思うほどラース・フォン・トリアーの「メランコリア」のオープニングに感動した自分からすると、あまりにもなワーグナーの人格に失笑してしまう。才能と人間性は比例しないとはいえ酷い。

貴族階級の出自に対するヴィスコンティのコンプレックスや映画館の大画面で観ていればさぞ圧巻だったであろう映像美は感じるけれど、自分には敷居が高すぎた。
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