Osamu

ブロンドの恋のOsamuのレビュー・感想・評価

ブロンドの恋(1965年製作の映画)
3.6
東京・池袋の新文芸坐シネマテークにて。

田舎の靴工場で働く若い女の青春のひとコマ。

上映後の講義で大寺眞輔さんもおっしゃっていましたが、物語としては何てことありません。

どれくらい何てことないかと言うと、例えば、ド田舎の中学生が近くの地方都市に買い物に行った時に、東京から来たと言うお兄さんにアンケートだと声を掛けられ、いろいろ話していたらとてもフレンドリー感じになって、最後にとてもオトクなクーポン券を売ってくれた、という話と同じくらいです。はい、騙されました。

長い例え話になりましたが、僕自身の恥ずかしい経験ですね。何てことない話の例えで出しましたが、この映画を観ながら、その時の気持ちが甦りました。後から冷静に考えれば分かるだろうに、という若さ故の過ちの切なさですね。田舎モノの背伸びとも言えますかね。それと一緒にするな、と怒られますね。

素人の役者で即興的なセリフまわしで、などなどのチェコ・ヌーヴェルヴァーグの特徴を意識しながら観ると良さが分かる、逆に言うと、その辺を知らないと良さが分からない作品かと思います。僕は分かりませんでした。

恥ずかしい思い出が甦えったラストに流れた『アヴェ・マリア』に心を癒されました。なんか変に感動。
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