グロテスクな奇術ショーを観覧したカップルが、その見世物の内容を忠実になぞっている連続殺人事件に肉薄していく。スプラッター演出の先駆者、ハーシェル・ゴードン・ルイスが手掛けている、グラインドハウス系の低予算ホラー。
謎の奇術師が、ミニスカ&ヒッピー・スタイルの娘を舞台に上げて、チェーンソーで切り裂いたり、プレス機で穴を開けたり、杭を打ち付けたりする。見世物なので、娘はケロリとしているのだが、数時間後に変死を遂げたものだから、さあタイヘン。
スプラッター描写は、人体欠損なし&女性の裸体なしの状態で、手作り臓物(なんか美味しそうに見える)の接写を挟んでいくパターン。ドラマ面では「それをやると、何でもありになっちゃうよ!」とツッコミたくなるモチーフが取り入れられている。
現実と虚構の狭間がウンタラカンタラという先鋭的なことをやっているが、技術力と予算の関係でアレな感じになっている。場末の深夜興業で、他の観客と一緒にワーキャー言いながら鑑賞している風景を思い浮かべるのが最良。