三陸わかめ

ポゼッションの三陸わかめのネタバレレビュー・内容・結末

ポゼッション(1981年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

なんか見てはいけないようなものを見た気がします。病気の時に見る悪夢のようです。アンナ役の女優さんの狂気の演技も含め、雰囲気といい、全体的に狂ってました。

特に女性は見ることを全くおすすめしません。。。もちろんこういうのに耐性がある方は別ですが…。

自分なりに映画の中身を考えたら、すごく気持ち悪い感想と考察になりました…。書いてていやーな気持ちになりました。。

あらすじ-----------------------------
単身赴任先から我が家に帰ってきたマルクは、妻アンナのよそよそしい態度に不信感を抱く。そしてアンナが自分の留守中に不倫していたことを知る。相手はハインリッヒという男で、アンナはマルクを激しく拒絶し、ハインリッヒと逢瀬を重ねる。しかし、彼女は度々マルクのもとへ戻ってきて、その度に、2人は感情を爆発させ、容赦なく傷つけ合う。(精神的にというか、むしろ物理的に)アンナはヒステリーというより、もっと深刻な錯乱状態に陥っているように見える。一体全体彼女に何が起こっているのか…
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Q1. この映画は結局何がいいたいのか?
A. 主題は「性欲」だと思いました。
アンナは結婚生活に倦怠を感じ、浮気をするうちに、性欲に取り憑かれて極上の快楽を求めていったのだと解釈しました。
また、アンナの浮気相手ハインリッヒはマルクを揶揄するのに、やたらと「満足させられているのか?私の方がその点で優れている」という内容の煽り文句を使ってきます。一方のマルクも「(彼女を満足させるという点に関しては)ハインリッヒの方が優れている」といったような劣等感を抱いているように思えました。最終的にマルクはハインリッヒをエグいやり方で殺すわけですが、はっきりいって狂気じみた行動です。
だから、この映画は「性欲に取り憑かれた者たちが狂気に染まっていく様」を描いているのではないのでしょうか。

Q2. アンナと瓜二つのヘレンは何者?
A. アンナが性欲の奴隷なのだとしたら、ヘレンはアンナのそれ以外の家庭的な部分、子供を庇護し、夫を純粋に愛する部分だと思います。実際ヘレンとマルクは行為に及ぼうとするものの、結局「やらなくてもいい」みたいな空気になって、二人ともそれに満足していました。

Q3. アンナが産み落としたグロい触手付きの化け物は何?
A. あれはアンナが最上の快楽を求めた結果生み出した究極のダッチ・ワイフならぬダッチ・ハスバンドだと思います。まあ、実際アンナはその化け物と行為に及んでいたので、そういうことでしょう。

Q4. なんで終盤、マルクそっくりな男がアンナと一緒にいたのか。
A. たぶんあれは触手付き化け物の完成形だと思います。化け物との行為中、「Almost!(もう少し!)」と叫んでいて、あれは「(完成まで)もう少し」という意味だと感じました。また、話が進むにつれて化け物少しずつ成長してる気がしましたし…。
マルクそっくりなのは、やっぱりなんだかんだセックス の相性以外だと元夫のことが大好きだった、ということではないでしょうか。究極の快楽を求めた結果、「究極にテクのある元夫」が完成した…みたいな。言い方を換えると、夫の理想形がここで出来上がったのだと思います。

Q5. なんで最後子供が風呂場で入水自殺みたいなことをしたのか?
A. マルク2代目が家に来たことを察知して自殺していますから、マルク2代目に恐怖を感じたのだと思います。
マルク2代目はアンナの産み落とした触手付き化け物の成れの果て、つまり性欲の権化というか、塊、なわけです。一方、子供も、事実だけを見ると性行為の果てに生まれた産物です。つまり母親の性欲の結果、ということになります。彼は、そんな化け物と自分が同じ存在だということに気付いて絶望して自殺したのではないでしょうか。(自分で書いてて嫌な考察……)


この映画で一番恐ろしいところは離婚をテーマに扱っているのに、子供が完全に蚊帳の外なんですよね。普通あんなやばいドロドロ喧嘩見せられたら、子供発狂すると思うんですが、二人が傷つけあってる時に一切子供の気配がないです。

結局最後子供は自殺します。子供自殺する映画ってやばくないですか。本当にゾッとしました。

後味最悪だし、女優さん演技怖すぎだし、考察してみても嫌な解釈しかできないし…。何も得しない最悪の胸糞映画でした。しかし、本当に他にないヤバさだったのでこのスコアです。
三陸わかめ

三陸わかめ