青山

ポゼッションの青山のレビュー・感想・評価

ポゼッション(1981年製作の映画)
4.0

前から気になっていたもののなかなかレンタル屋に置いてなくて観れてなかったやつ、ようやく観ました。


夫が単身赴任から帰宅すると、妻の様子がおかしく、どうやら浮気しているらしい......という発端は『クレイマークレイマー』とかを連想させるドロドロ家族ドラマという感じ。

しかし、そっからの流れがやべえっすわ。

浮気する妻を演じるイザベル・アジャーニの狂気が全編を貫いているので、ジャンルミックスという感じはあんましないですが、しかし探偵モノからサイコスリラーからモンスターホラーまでいろんな要素を内包したごった煮の味わいは面白いですね。

そんなハチャメチャさで不条理なことが次々と起こるので難解といえば難解。ちゃんと理解できたとは言い難いです。
そんでもシンプルに筋の部分を見れば男女の愛憎モノであり、理想の相手と現実との相違や相互理解の不可能性なんていうけっこう共感できる話だったりもするので、まるっきり分からんことはなかったです。

そんでとにかく登場人物の、特にアンナの感情の発露の激しさが凄まじく、それだけで惹きつけられて目が離せない。エモいってのはこういうことですよね、きっと。
一方、狂気のアンナを演じながら一人二役で天使のような可憐さの先生をも演じるイザベル・アジャーニの両極端演技がやべえ。先生めちゃくちゃ可愛いんですよ。こんな可愛い人が、片や牛乳ぶちまけながらゲロ吐くのかとびっくりですよ。

他にも博愛空手野郎とかダメすぎる探偵コンビとかアレとか変な奴らがたくさん出てきて楽しかったですね、はい。

私もそろそろ結婚とか考えなきゃいかん歳だけど、映画観てるとほんと結婚したくなくなるよね。いや普通逆か。こんなんばっか観てるからやね。
青山

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