GaPTooth

ナチス・ホロコーストの戦慄のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ある日突然、リトアニア人の「教授」が、講義で学生たちを扇動しているとして逮捕。
ティルジットからグダニスクへ、そして強制収容所へ収容される。
その収容所内で、レッド・トライアングル(政治思想犯)として送った収容所生活の現実を描いた小説の映像化作品。

神々の森が収容所の森へと変わる。

桜と名付けられた女。
エホバの証人(パープル・トライアングル)。
様々な凶悪犯(グリーン・トライアングル)。
強制労働。
日常的な暴力(棍棒)に慣らされる。
荷車に山積みの死体。
規則を守らなければ絞首刑。

一方で、
充分な食事と休息。
自由な時間もあり、酒を飲み、タバコも吸える。
購買部もあり、生活必需品が買える。

さらにリトアニア人が特別囚人となってからは、
強制労働はなし。
郵便もオッケー。
収容所内であれば自由に行動できる。
ドイツ人の将校たちとバレーボールを楽しんだり、クリスマスさえ祝っている。
「教授」も囚人相手に演劇の講義をしていたんだね。

面白いと思ったのが、日本で言う『こっくりさん』を使って「自分たちがいつ自由になれるのか」を占っていた場面。
数字や文字を書いた紙の上に、欠けた皿を置いて、4人が手を添える。
質問すると、皿が動いて欠けた部分が文字や数字を差し示し、答えが得られるという感じで。

確かに自由の無い生活ではあったと思うけど「死と隣り合わせではなかった」という意味では、他の収容所よりは結構自由だったんだな...という印象を受けた。

"ホロコーストの戦慄"
(ФωФ)ウーム...
まあナチスによる強制収容であり、強制労働もあったから、虐殺はなかったけどホロコーストの範疇に入るのかな。
強制収容された人たちは、精神的な意味で"戦慄"したんだろうから"戦慄"なのか...

※バリス・スルオガに捧ぐ。
1957年。死後10年経って、ソ連の検閲が「神々のいる森」の出版を許可。
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