青二歳

赤目四十八瀧心中未遂の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

赤目四十八瀧心中未遂(2003年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

大楠道代にかかっては叙情なんて許されないのね…どこまでも情けない男としてしか居られない。ファムファタール寺島しのぶによって滅ぼされるかと思いきや、“舞姫”よろしく男は逃げおおせる。しかし寺島しのぶの突き放した冷徹な目を思い出せば、「嗚呼いい女だった」と懐かしむことも許されない……だろうな。
男がほんとどーしょーもないビビりなんだが、主演もまた印象が薄くて、そのキャラクター造形は(本人不在と思えるほど)大楠道代と寺島しのぶ二人の女たちによって形作られているところが面白い。この二人はなんか化け物だと思う。

鈴木清順ファンだった高校時代ウキウキで映画館にて鑑賞。清順の系譜にしては微妙…と思いつつ、咀嚼の音を大きく拾うところは好きだなとかとにかく生意気なメモを残していました。が、ガキが観るもんではなかったな。よく分かってなかったと思われます。とはいえ学生時代映画をそんな観なくなってからも、結局赤目四十八滝に行っちゃったくらい印象に残っていた。リアル赤目四十八滝美しかったです。今観ても赤目四十八滝が主役の映画だと思いました。
あと大楠道代に撃たれて…なんかもう血の気が引きました…内田裕也や麿赤兒など子供の頃のトラウマ映画の1つ。
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