青山

もののけ姫の青山のレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.0

ジブリ、実はあんまり観てなくて、最近になって後輩や彼女の薦めで「千と千尋」や「ナウシカ」を観て「天才じゃん!」とか言ってる始末なので、本作『もののけ姫』も今更ですが初観賞。

そしたらもう、めちゃくちゃ良かったです!!
作品の内容自体もちろん素晴らしいし、それを今になって映画館の大音響大画面で没入して体験できたことに感動🥺



舞台は中世の日本。蝦夷の村の青年アシタカは、祟り神となった猪と戦い、右腕に死に至る呪いを受け、呪いを解く方法を求め、猪のやってきた方向へと旅立つ。
アシタカは道中で、鉄造りの村"タタラ場"を訪れる。
そこでは森を開拓しようとする女帝エボシと、山犬に育てられた"もののけ姫"サンとの対立があった。



冒頭の、祟り神のビジュアルの恐ろしさからして引き込まれました。
ただ気持ち悪い、怖いというだけでなく、祟りとは言え神だけに畏怖を感じるような、恨めしげなキャラデザが良い。

今更の初観賞と言ったものの、描かれるテーマは広く深いのでこの歳になってようやく凄さが分かる作品という気もして、むしろ子供の頃に観てなくて良かったとさえ思います。
環境破壊、人間のエゴや欲望、復讐の不毛さ、戦争の悲しさ、女性の社会進出、マイノリティのアイデンティティ......などなど、近年の新作映画で描かれていてもおかしくないようなテーマを1つの物語にぶち込み、しかもちゃんとエンタメしてるあたり、ちょっと意味分かんないくらい面白いです。
色んな勢力が出てきて、誰も完全な悪人はおらず、ただ生きるために対立したり殺し合ったりしてるっていう、だから誰にでも共感出来ちゃうしリアリティが凄い。ファンタジーでも、というかファンタジーだからこそ、リアリティは大事ですよね。

あと、口移しだったり、腕斬りだったり、さらりとただの監督のフェチでは?みたいな描写があるのもにやにやしちゃいます。新海さんとかはこれがあからさますぎて引くんですけど、そこはさすが巨匠ですね(?)。

それとこれも余談ですが、「生きろ。そなたは美しい」と「オレタチ、ニンゲン、クウ」という有名スラングが一堂に会していたことに衝撃を受けました。これ、同じ作品の同じ場面なの!?っつう。
あとコダマのカタカタカタカタ......っていうのもキモカワ。
あと歌も良かった。
こんな凄惨な話なのにエンドロールのあとにちゃんと「おわり」って平仮名で出るのに妙な気分になります。
青山

青山