マリリン

セブンス・コンチネントのマリリンのレビュー・感想・評価

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)
3.5
【人をとことん不快にさせるミヒャエル・ハネケ監督の最骨頂】
何気ない日常が人生最大の決断をさせる。
冒頭たっぷりと流れる洗車機のシーン。これが一体何を意味しているのか掴めないけど、何だかやたら不安に気分にさせる。まぁ、ハネケ監督の映画なんだからハッピーエンドってことはないとは思ってるんだけど(笑)。でも要はハネケ監督がどんな手法で観る側を不快にさせてくるかが見モノなのである。
一家心中を決意した家族が死ぬための準備をするシーンに感情は感じられない。あくまでも淡々と、事務的にこなすのみ。
唯一水槽を破壊されたとき娘が泣きわめくシーンが、子供らしく、そして人間らしい描写だったかな。
「死ぬことに尤もらしい理由は必要か?」と問いただされている気分だった。
ミヒャエル・ハネケの作品は毎回清々しい程人を不快にしてくれる。
マリリン

マリリン