「セブンス・コンチネント」に投稿された感想・評価

nagaoshan
4.0
ミヒャエル・ハネケ監督作品!

ブレッソン監督「ラルジャン」の衝撃から、なんかこの雰囲気、ザワザワ胸騒ぎからの衝撃的な展開…
ハネケ監督作品を思い浮かべてしまい、放置DVD📀から本作を観ることにしました。

初監督作品でこれですもんね〜やられました(^^)
はっきり言って ハネケ節!
親子3人の絶望のドラマで救いもありませんが一切の原因や断片的なシーンの構成で観客に丸投げスタイル…好き嫌いは分かれますね。

洗車場で、洗車機の中で母親が意を決意して涙ぐむシーン…

便器に流す大量お金💰…

水槽を壊す時に振り上げたハンマー🔨を制止する声…「やめて!」

「ラルジャン」の斧を振り上げるシーン…「金はどこだ!」
見事にかぶりました…

家族は第七の大陸オーストラリアの浜辺に行くことができたのでしょうか…

良か映画!
8bit
5.0
まさに【閲覧注意】。

グロくはないし、胸糞でもない映画です。
でも精神衛生上、大変よろしくない劇薬です。

物語は3部構成。
1部と2部はまではごく普通の家族の、ごく普通の生活が描かれます。
ただし映像の質感がとにかく無機質。本当に淡々としている。
退屈になりがちなシーンの連続ですが、ちょっとどこかおかしくて不穏で異様に引き込まれます。

で、3部。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、その不穏な空気が映画全体に充満。
「え…なにやってんのそれ?」という映像が延々と続き、不安でいっぱいになります。
一言例えるなら…闇の深い断捨離???笑

観終わった後、心がズシーンと重くなり、何を観ていたのかもよくわからなくなります。
特典映像の監督のインタビューで、おぼろげながらテーマが見えてきた感じ。

後に「ファニーゲーム」や「白いリボン」「愛、アムール」といった傑作を生み出す、ミヒャエル・ハネケのデビュー作。
1作目からこれとか、この監督まともじゃないよ(褒)。
ハネケの映画、特に20世紀のものにはその淡々とした描写の数々にブレッソンの影響が強く感じられるが、その傾向はこの長編デビュー作に特に顕著に現れているように思える

ブレッソン映画にも感じられたサイレント的表現を乱暴にしたものの数々、例えば序盤で言うと眼のドアップや無機質な伝票、そして家族の日常風景が不気味な映し方で以って多用されており、それが全体的に不安感を煽る様はデビュー作にしてハネケらしさが漂うものだった

反復する時間における家族の不穏な変化、そして訪れる破壊行為は前述のブレッソンの影響、特にラルジャンのオマージュとも思えるものがあり、それでいてより過激で暴力的なものとなっていて、まさにオマージュの好例といえるものだった

説明にならない映像表現が多いため若干わかりにくい箇所も多々あったが、それでも説明のためでしかない描写の乱立よりよっぽど好印象で、極力映像で伝えようとする基本的かつ重要で、にもかかわらず昨今の映画の大半でできていないことを行うハネケの姿勢はやはり素晴らしい

それにしてもタイトルが意味する第七大陸というのは、やはり家族が訪れるであろうこの世にはない新天地のことなのだろうか

あとこういう破滅的な映画に惹かれるってのは自分も死を待ち望んでいるからなんだろうな
音。ダークなアンビエント
描かないことによって描く演出。第七の大陸はあの世の隠喩? 深く考えすぎるとこういう破滅的な方向に行くしかなくなるから人生もっと適当に生きるほうが幸せ。
FukiIkeda
4.3
薄っぺらいマテリアルワールドの日常。
人は何をもって幸せというのか。
スクリーンいっぱいに映し出される接写カットは客観的に物質的なものの無意味さを現実社会にいる観客側に問いかけられているようで、特に破壊的破滅的シーンになると感じたことのない不安と興奮を覚え、日々、いかに自分が何かに囚われているのかということを感じずにはいられずに、ハラハラドキドキ感で落ち着きがなくなってしまう。終始不穏。
ある意味、トラウマ映画になりかねないかも。
えーた
4.3
ハネケ監督を思い出してすっかりハネケ作品を忘れていた、なお内容はほとんど覚えていない。再鑑賞して後日書きます。
pika
5.0
超ド級の傑作!こんな映画が存在していたとは、嬉しい驚き&存在に感謝映画!
見る寸前に釈迦の哲学入門読んでいたせいかこれって悟りなんじゃないか、形を変えた「ファイトクラブ」じゃないかと、身勝手ながらそんなことを悶々と考えつつ、暗喩もなくシンプルにどストレートに今作の存在意義を突きつける。

淡々と日常を映す映像の羅列がご褒美過ぎて延々と大興奮!
ブレッソンを彷彿とさせる手元足元のアップは人の目線ではなく「道具を主体として生きている人間」を表現しているようで痺れた。思考が飛ぶような黒い画面を挟むリズムの緩急と言葉で語らず日常の変化で語る演出などなどツボ過ぎて全秒最高。

原因はドラマの中の彼らだから、ではなく誰しもが多少なり経験する普遍的なもので、現代に生きる我々の身の回りにあるものの見方が変わっただけ。誰もが彼らのように「気づく」ことができる、突然目の前のものの意味が変わり、生きるという価値観の変化が起きる。
彼らはこの結末を多数ある中からただそれを選んだというだけで、我々が彼らのような見方を知った時に選ぶ選択肢の中にもあるだろう。

ものへの見方を考え直させる映画でもあるし、生き方を諭す映画でもある。
一度見たら頭から離れないであろう強烈なアプローチで、コインの裏表ような価値観を、灯台下暗し的な表現で描いて見せるハネケに心底感動した。最高!!
みくも
3.5
ざわつく
葉
4.5
ハネケのデビュー作にして傑作。
夫婦にとってのセブンスコンチネントはきっと、「ここではないどこか」で、それを死後の世界としてしまった結果の行為だったのかな。
この退屈で代わり映えのしないルーティンな毎日から逃れるための行為もまたルーティンなのはハネケの皮肉なのかしら。
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