冒頭の「実際の拒食症患者の実体験が含まれるためショッキングな映像に注意」のただし書き。
なるほど。現実に向き合い作られた作品だからこそのシリアスさはショッキングであった。
人生は理不尽だ、というセリフが作中にある。
まさにこの映画はそれを体現している。
映画だからといった希望的顛末は期待しない方が良いかもしれない。ひどく現実的である。
残念なのは、愛は人を救うという綺麗事なメッセージ。映画の本題ではなし、別に愛が誰かを救ったという明確な描写はない。ただ他がリアルだからこそ、何だか浮いてしまった（結局そうなんだという乾いた感情を抱いてしまった）。
…という風に、人はそれぞれの生い立ちで得た価値観に縛られるんだと、私なりの感想を抱くことで気が付かされた。
