KATO

心のカルテのKATOのネタバレレビュー・内容・結末

心のカルテ(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

見た目問題はなかなか業が深い……。
食べることって、楽しみだけじゃなくて“生きること”に直結しているから難しいと感じる。どんないいわけもついちゃうし、すべてが自分の匙加減なわけで。
習慣だから、一度踏み外すと矯正するのが難しいのよね……。

主人公が痛々しすぎて見ていられなかった。筋肉や脂肪がないなかでおこなう腹筋のせいで背骨についた痣、思い出すだけでぞわぞわする。
家族もバラバラだし、特に父親。最後まで姿を見せなかったのが腹立たしいし、なんとなく分からなくもないし。継母の無神経なところはどうかと思うけれど、なんとかしたいという気持ちは見えたからなんぼかマシ。発言はどうかと思うけどね。
大人っていろいろ取り繕っているんだろうなーと思う。自分が大人というわれる年齢になって尚更。正直に生きることって難しいし、正しいからといっていっていいわけじゃないこともある。そこを分かっていながらも反抗していく主人公は、きっと自分に対して厳しく生きてきたんじゃないかとも思う。アメリカだからといって差別的な視線はなくならないと思うし、レズビアンカップルのもとで生活するって思春期の子にとっては外的要因として苦しいことが少なからずあったんじゃなかろうか(家族は納得していても、周囲の人が全員納得するわけじゃないし、学校などでからかいの対象になるといった意味で。個人的には、ゲイカップルが子供を持つことに対して何も思わないが、実際には偏見を持った目で見てしまうと思うし。それを当然だと思う人はまだまだ少ないと思う)。
主演のリリーも摂食障害に悩んだというし、ティーンは一度は自分の身体について悩むことは万国共通なんだ。ティーンはとっくに過ぎた私でも、毎日ため息をついている。
銃を持っていないキアヌが久しぶりでなんだかテンションが上がった。
かなりの荒療治だとは思うけれど、自分のことだけに集中している家族よりも現実をたたきつけてくれる大人という点ではかなり貴重。
自分を思ってくれる妹のためにも、ラストの希望をそのままにいい方向へ向かってほしい。
それにしても、ミルクを飲ませたいの……のシーンはシリウスなのか、なんなのか。笑ってしまったよ……。
KATO

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