イチロヲ

首だけ女の恐怖のイチロヲのレビュー・感想・評価

首だけ女の恐怖(1981年製作の映画)
4.0
黒魔術を研究するためバリ島を訪れたアメリカ人女性が、魔女の妖力により空飛ぶ生首へと变化させられてしまう。バリ島の民間伝承レヤックを題材にしている、インドネシア産のホラー映画。

いわゆる、「異国の人間が土着の伝承に取り込まれてしまう系統」のホラー劇場。臓器をぶら下げた状態で胴体から離れるフライングヘッドが印象鮮烈であり(これも民間伝承に則った表現らしい)、あちこちに臓器をぶつけながらビューンと飛来していく。

ヒロインを貶める魔女もまた、暗黒舞踏の動きで迫ってきて、ケタケタと悪魔的笑いを連発。そのオーバーアクションが、いちいち笑いのツボに入ってしまう。豚や蛇など、別の生命体に变化する過程を、チープなアナログ特撮で表現しているところも見応えあり。

終局に入ると、魔女の眷属に落ちたヒロインを助けるべく、彼氏と呪術師が粉骨砕身。香港特撮アクションのケレンミをほのかに漂わせながら、言葉で形容できない満足感を与えてくる。つまるところ、何でもハイテンションでやった者勝ちな珍品。
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