イチロヲ

墓地裏の家のイチロヲのレビュー・感想・評価

墓地裏の家(1981年製作の映画)
4.0
自殺を遂げた博士の研究を引き継ぐことになった男が、妻子と共に郊外の屋敷に移ってくる。森の中に佇む屋敷を舞台にしている、ビックリハウス系のサスペンス・ホラー。

博士の身辺調査を進める夫、屋敷内の怪異を察知する妻、地元の不思議少女と接触する幼い息子、愛嬌のないベビーシッター、気味が悪い地下室の存在。屋敷の中に家族以外の何者かが潜伏していることを暗示させながら、怪異との対峙を描いていくパターン。

暴力描写は、殺人鬼の一人称視点により展開。凶器を使用した殺傷シーンが見応え満点であり、傷口からどす黒い血がドバドバ出てくる流血表現は言わずもがな。下から足を引っ張られた人間が、階段のステップに頭部を打ち付けていくシーンに笑わせられる。

ドラマ面では、屋敷内の出来事を少しずつ情報開示しながら、パズルのピースが合わさっていく過程を演出。鑑賞者に考えさせる方向へと着地させるラストが絶品であり、幼い息子もまたイケない場所に連れ出されたのではないか、という妄想が捗る。
イチロヲ

イチロヲ