広島カップ

北国の帝王の広島カップのレビュー・感想・評価

北国の帝王(1973年製作の映画)
4.0
ギョロ目の魅力!
アーネスト・ボーグナインの飛び出しそうなくらいのギョロ目が思う存分観れてファンにはたまりません。

機関車への無賃乗車を敢行して移動するホーボーと呼ばれる1930年代のアメリカの放浪者達と、彼らの乗車を阻止しようとする機関車の車掌の戦い。映画史上おそらくオンリーワンの異種格闘技。

例えばまさに目の前で机に置いた自分の手の上に蚊が止まったとします。
「しめしめ、俺の手の上に止まったのが運のつきだ。動くなよこの野郎、今叩き潰してやるからな」
みたいな感じでソロソロと右手を動かし始めるように車掌役のボーグナインが動き始めます。
そして降り下ろされる右手デはなくて、彼の手に握られたハンマー!
なんか猟奇的な感じがするほどの鬼車掌役にボーグナインのギョロ目がピッタリ嵌まります。

サスペンス的な音楽を合わせることも可能だったかも知れませんが、始終明るい音楽とアメリカ北部の清み渡った青空が何故か爽やかな感じも醸し出しています。

鉄の塊の機関車はロバート・アルドリッチの作風にピッタリです。
もう一本くらいゴリゴリと走っていく機関車を使った作品を撮って欲しかった。
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