バンバンビガロ

ジュノーと孔雀のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

ジュノーと孔雀(1929年製作の映画)
3.8
見始めてからしばらくこれは一体どういう話なのか杳として分からなかった。
アイルランド内戦を背景ににじませた剣呑な雰囲気のなかコメディにも思えるやや誇張された演技による会話劇が延々と続く。主人公の家族に巨額の遺産が舞い込んでくるあたりから、これはあぶく銭を失って結果として家族が結束を強めるたぐいの寓話、教訓譚なのだとあたりをつける。果たして家族は遺産を失うのだが、その後の展開は予想外でひたすら不幸が襲い徹底した家族の崩壊が描かれ物語が終わる。
正直なところ視聴している時間の大半は退屈に感じていたのだが全体が明らかになった後に思い返すと個々の登場人物のうまく抽出されたリアリティや控えめながら周到なテーマの描き方に良くできた内容だと思わされる。
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