ジョン

狼の時刻のジョンのネタバレレビュー・内容・結末

狼の時刻(1966年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

島に住む夫婦。誰もいない島で穏やかに暮らすはずが、夫が少しずつ狂気に蝕まれていく、という話。

まず、黒背景に白文字でキャスト名が流れる中の「準備はいいか!」「カメラ!」「アクション!」という声に続いて映画が始まる。この音声の演出だけで既に、身体中が快感に包まれた。

デヴィッド・リンチが影響を受けてるというのも納得の悪夢的世界観。現実と幻想の境界が曖昧になり、2人の精神が狂い始める。この狂気、悪夢を表現した映像が絶品。グルグル回したりワンカットでじっくり映したり、いろんなやり方で恐怖を与えてくる。
極めつけは終盤。鳩が飛び交う廊下、裸の女、笑うジジババたち(ここの構図も完璧!!)、そして夫ユーハンの窶れた顔...。

はっきり言って、映像に関してはこれまで観てきた1000本以上の映画の中で一番凄い。凄すぎる。痺れるほど恐ろしくて美しい。映像だけでこれほど心に迫ってきた作品はないな。
ジョン

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