このレビューはネタバレを含みます
冒頭の罠にかかった小動物を掲げて笑う姉弟から、常にそこはかとなく漂う不穏さにちりちりと胸が痛かったです。
ひたすら悲劇に向かっていく後半はなかなかしんどかったです・・・。
閉鎖的な環境と世間と断絶して育ってきた坊や、夢を諦め抑圧されたベッリ等、全ての要因が焚火の側での出来事に繋がっていて、起きるべくして起きた悲劇という感じでやるせないです。その後の運命を示しているような、目覚めた時の悲劇的な音楽が忘れられません。
変わらず無邪気な坊やの一方で、妊娠してしまいそれを隠すしかないベッリの胸中を思うと居た堪れなかったです。
全てを母に打ち明け受け入れられたのも束の間、父が怒り狂い一度に両親を失ったのには唖然としました。
その後2人の生活がしばらく描かれますが、緩やかに不幸に向かって行っているようで不安を掻き立てられました。
ラストの窓際に佇む姉弟と雪に埋葬された両親がなんとも後味悪く脳裏に焼きついています。