長回しというと流れるようなカメラ撮影を想像しがちだけど、この映画の場合、5,6分の長めのワンカットが多用されるが、カメラの動きは小さい。
歯科でのやりとりにおけるそれぞれの表情や仕草から演技力および演出力の高さが窺える。この水面下の表出しない感情表現と、後半のいよいよ事態が明るみに出たあとの夫婦の口論の緊迫感。関係の終わりを知る者と知らぬ者の情報の差がやるせない。終盤のノールックのバックトスは完璧すぎてため息が出た。
配信で観たのでわからないが、レンタル店だとエロティックとかのコーナーにありそうな日本の売り方が残念。普通にカンヌとか獲りそうな作品。