キュアロンにとっては家族、あるいは育ての親とも言えるかもしれないけど、他人の人生をこういう形で描こうというのはちょっと傲慢ではないのかとモヤモヤする。フェリーニの映画を観てるようなうっとりする映像美は>>続きを読む
正体が何なのかはどうでもいいけど、最低限のルールを提示してもらえないとハラハラできない。あと川舐めすぎ。
配慮しました!な人物配置で表現される世界(アメリカ)の縮図に登場する、モロにあの人なマルコヴ>>続きを読む
成分的にはヒッチコック、デパルマ、リンチ要素が多め。体感的には『インヒアレント・ヴァイス』を思い出した。ストーリーより漂流を楽しむ映画。暗号のように引用されるのは、映画に限らず音楽、雑誌、ゲームと多様>>続きを読む
ドラマに比重を置いてるせいか緊張が持続しないし、物語が展開する度に設定が緩くなる。とはいえ、序盤のアバンタイトルまでとエミリー・ブラントの高難度ワンオペはとてもおもしろかった。ホラーの型をとった声なき>>続きを読む
肌をさらして、おっさんの耳まで舐める体当たり演技の水原希子は最後までビッチとしてしか扱われないのか。男目線の物語とはいえ、彼女のスネ夫人生を仄めかすこともなく、最後の登場シーンで明らかなように男の想像>>続きを読む
前作までは割りと本気で好きだったのだけど、これはさすがに。
欲が出過ぎたのか、もはや何の映画かすらわからない。やはり型があってこその型破りなんだろうと思う。もともと低予算をアイデアでカバーしていたの>>続きを読む
あらすじに度肝を抜かれた1、惰性で観た2。もういいかなと思っていたところでテレ東の番宣で出て来た衝撃的なシーンに釣られて観てしまった。
観光映画でもあり、締めは主人公フィンとシャークの一騎討ちと定石>>続きを読む
ほうきに乗った魔女と聞いてなんて野心的なんだと思ったけれど、ジブリの遺産を再利用して後継者を名乗る志の低さ!背景こそ見事だけど、肝心のキャラクターやアクションに一切の魅力が…。重力というか重心の移動が>>続きを読む
だだっ広い砂漠を逃げる女に追うゾンビ。高い所に登ったり、好物を放り投げた隙に逃げたりと、ゾンビを犬のように扱う。オフビートなノリの前半だけでも充分楽しいが、情が湧くにつれゾンビが意味するものがだんだん>>続きを読む
人と関わるのが苦手で友達のいない男子の前に、クラス1の人気女子が現れて全肯定してくれるという男のファンタジー。逆から見れば、嫌々な素振りを見せつつ自分だけを見てくれる男子という女のファンタジーにもなる>>続きを読む
借りたDVDに『夜の獣たち』とサブタイトルがついててげんなりしたが、劇中の同名小説はその方がしっくりくるようなテキサス田舎ノワールだった。非常にわかりやすい作りだが、小説に対応する人物は誰なのか複数の>>続きを読む
加速する不条理がとことん悪夢的。不快の先にさらにもうひとつ展開があり、見応えはある。が、描かれる題材が提起でなく、結局のところ芸の肥やしになってるように感じられる。ホラーとしてならありかもしれないけど>>続きを読む
ランドのテンションくらい軽い冒険活劇が観たかったな。何でもシリアスにすりゃいいって訳でもないと思う。とりあえず画面が暗いのと、音楽ださいのはどうにかならんのかな。
初々しいシュワちゃんに萌える『星の王子ニューヨークへ行く』。いや星じゃないか。びっくりするほど棒読みのシュワちゃんがかわいい。着ぐるみ熊と対決や共演のアーノルド・スタングのコミカルな佇まいが微笑ましい>>続きを読む
ホアキンというキャラクター、いわゆる筋肉バカなんだけど、繊細な一面も見せて良い奴だ。たしかに前時代的な男女観を持っているが、主人公を陥れたりするような悪役にはめ込まないバランスがいい。それだけにありが>>続きを読む
サスペンスは持続するものの、緊迫感を煽る演出はあまりない。それでも画がもってしまう不思議。イーストウッドのように異次元に突入しているのかも。
パパラッチの国。ひとりチェス。美術品に関するホントのよう>>続きを読む
ハンティングする人間の姿がどこかアスリートと重なり、清々しささえ感じる。一発で仕留められなかったことを悔やむ様は倫理なんて途方もなく遠いのに。記念撮影のために草を刈り、首をねじ曲げ、シマウマやキリンを>>続きを読む
タバコに火がつくのを待ってから出るようなタイトルのタイミングがいい。全編ゆるいテンポだが、雰囲気でごまかさず、老いや孤独を描こうとする意気。リクガメのエピソードやラッキーの過去は適度な余白に深みを感じ>>続きを読む
なんと今日は橋本忍の100歳の誕生日らしいので。ネタとして鉄板の迷作ではあるけれど、奇をてらう訳でもなく本気でホームラン狙ってる所に胸を打たれる。結果として三振でも記憶に残る豪快な空振りは時々思い返し>>続きを読む
主人公の女は口が聞けない為、映画全体のセリフが少なくてかっこいい。ゴミ袋で小出しに処理して捨てるうちはまだ混乱が感じられるが、男が追いかけた所で炸裂する衝動がかっこいい。取り囲んだチンピラを一掃、仮装>>続きを読む
話の中心がいじめから、それを原因としたコミュニケーション不全へと変わっていて、いじめ自体は解決になっておらず消化不良な気が。恋愛関係を持ち込む事で、さらにぼやけた印象に感じた。中学校をすっ飛ばした為に>>続きを読む
宮沢りえは「肝っ玉母ちゃん」じゃなくて「姐さん」なんだとわかって腑に落ちた。母親というより堅気じゃない感じ。だから「働かざる者食うべからず」「罰として一人で風呂掃除」といったセリフを真に受けた子供は、>>続きを読む
思いがけない方向への展開は意外性があって楽しめたものの、社会風刺に注力したせいか主人公のドラマがあんまり掘り下げられなかったし、SFギミックもあまり活かされてないようだった。
また、社会風刺というに>>続きを読む
題材を考えればもっと重い後味になりそうではあるが、所々のユーモアが光る。動物園ガールやディクソン母の何とも言えない感じのおかしさがよかった。「砂の多い所」もギャグなんだと思っていたら、背景の意味を知り>>続きを読む
アンチ『美女と野獣』による、旧来の概念を反転させて語り直すおとぎ話。全体にクラシックなムードが漂う。自宅の1階は映画館であり、隣人とはテレビでミュージカルを観る。メインのふたりがしゃべらないというのも>>続きを読む
異なるタイムスパンを同時進行のように見せてるけど、不時着するパイロットのエピソードで時間軸の操作が気になった。戦場を「体験」させる作りなら、そこはうまく錯覚させるべきなのでは。臨場感あふれる映像と音響>>続きを読む
簡潔。その後の話に重点を置いて、法の前にまず自分。経験と勘。いつものイーストウッド節。情緒に流されない調査委員会も自分で正しさを証明するのもアメリカ的。最後も副機長のジョークで締める余裕。すごい。
極限状態で露になる本性なんて大げさな事でなく、日常レベルの不満が口々に出てくる、言いたいことも言えないこんな世の中じゃ映画。下水まみれの展開はある意味で恐怖だけどホラー色は薄めで、限定された空間でよく>>続きを読む
笑っていいのかわからない感じがたまらない。シリアスとコメディが並走して思いがけない着地をするのはこの映画から始まっていたと改めて気づかされる。ひっそり愛好していた本作が『スリービルボード』経由でレビュ>>続きを読む
オープニングクレジットが工場で始まる映画は外れないと勝手に思ってるんだけど、本作もしれっとエグい事やってて良い。田舎で帝国を築くハックマン兄弟、精肉業だけでなく、裏ビジネスもヤバい。アクションは田舎を>>続きを読む
冒頭の強風が不穏で良い。 新婦ダイブや火だるま男のショッキングさに痺れるし、これが火サスで放送されてたという事実が凄い。さすがに金魚鉢ダンスには笑ってしまったけど、みなみらんぼう演じるボートハウスおじ>>続きを読む
フェイ・ダナウェイには申し訳ないけど、ジョーン・クロフォード自身が濃い化粧を含めて人工的な顔面をしてると思うので、それに近づけようと熱演すればするほど異様に見えてしまう。実話ベースだから、針金ハンガー>>続きを読む
バカだと思って舐めてかかると、それを上回るバカで返す二人組の20年振りの続編。オリジナルの、当時全盛だったジム・キャリーの演技は今だときついけど、今回は年を重ねてマイルドになって観やすい。ただ、丸くな>>続きを読む
Baby Jane以降のべティ・デイヴィス怪演もの。不安を煽るメンタルの弱い母親や、寄りすぎた撮影のデイヴィスの顔アップなんかはおもしろいけど、少年とナニーの対決自体は抑制されていて単調。家をもっと密>>続きを読む
実話ベースなら『ビリギャル』を目指せばいいのに、なんで『ウォーターボーイズ』方向なんだろうね。広瀬すず挫折以降の展開は一歩踏み込んだ感じもあっただけにバラエティ演出が残念。チーンってなる邦画はやっぱり>>続きを読む
自身の脚本ということもあるのだろうけど、エイミー・シューマーの笑いを共有してる前提なんだろうか。英語力が乏しいのできっとセンスのいいセリフも拾えず、ただ連発される下ネタと、レブロンやジョン・シナの飛び>>続きを読む