爆裂BOX

プレデターズ EVOLUTION/プレデターズ エヴォリューションの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.2
恋人の実家を訪れていたナタンは異常行動をとる森の動物達の謎を探る為の狩りに付き合う事に。森を進むナタン達に何者かが襲いかかって来る・・・というストーリー。
題名にプレデターと付いていますが勿論あのプレデターは登場しません。
鹿が電流の流れるフェンスに飛び込んで感電死したり異常行動取り始め、その調査と敷地内に侵入したイノシシを獲るため、ナタンと恋人の父、その兄、祖父と共に森へ入るも凶暴化したイノシシに襲われることになるという内容です。ということで登場するのは薬害で狂暴化したイノシシです。だから動物パニックですね。
ただ、低予算をカバーする為かイノシシも時たま頭が登場するだけで最後の方まで姿は見せません。多分頭の模型しか作ってないんじゃないかな。殆ど鳴き声と揺れる草叢だけで表現されるので大暴れを期待するとガッカリされるでしょう。個人的には夜の闇の中で多数のイノシシの鳴き声に囲まれてガサガサと草叢が揺れるシーンは割と恐怖感ありました。主人公が窪みの中に隠れてイノシシの死体を上にかぶせて、イノシシをやり過ごそうとするシーンは中々イイ感じでした。終盤、立て籠もった山小屋の周りを取り囲まれてイノシシの鳴き声と壁をガンガン揺らされる状況などそれなりに緊張感感じました。
イノシシの恐怖よりも人間同士のイザコザの方がメインで描かれています。冒頭から兄弟仲悪い感じ出してますし、妊娠した恋人も工場の仕事優先して結婚延期して子供も諦めようと言って主人公と揉めたり人間関係ギスギスしてます。避難した木の上で兄弟喧嘩を始めたり、殺人の隠蔽の為に仲間を殺そうとしたり、ラストのヒロインの行動等人間の怖さがメインになっています。主人公も初めは狩り初心者のヘタレだったのが後半になるにつれて山小屋の中にある物で罠作ったりドンドン行動力を増していきます。裏切り予想しての起点も良かったですね。
結局原因が分かったら家族があんな目にあったのは自業自得ですね。何も知らず何の関係もなかった主人公が一番の被害者でした。ただ普通の幸せを望み必死で頑張っていただけにあの結末は可哀想でした。
中盤からは夜の森が舞台になるのでちょっと暗すぎる所もありますが、全体的に映像はキレイでした。また上記のイノシシが迫るシーン等演出もそれなりに上手いです。主人公達が夜の森の中で農薬で汚染された水場で大量の魚の死体や食い散らかされた動物の死体を見つけるシーンは不気味で、グロくて良かったです。
オススメするほどではないですが、フランス製作だけあって何処か締めッとした感じが漂う動物パニック映画で、B級映画の中では一風変わった動物パニックとして楽しめるのではないでしょうか。