西東京

殺人狂想曲の西東京のレビュー・感想・評価

殺人狂想曲(1971年製作の映画)
4.5
暴力が記号化した都会というジャングルでの生き方が提示される、引き笑いするしかない不気味なラスト。中盤で結構衝撃的なシーンがあり、「えっ」とか思ってると見ているこっちも都会ナイズされていつの間にか沈静化される怖さ。風刺っぽくカリカチュアされているので悲惨さはないが、嫌な映画ではある。
相手無視で一方的にベラベラと喋る場面が多く、この片側通行のコミュニケーション不全は都会の人間特有の相手への関心のなさの表れであり、殴る蹴るといった暴力と同義。対するエリオット・グールドの主張しない生き方は間違っていはいなかったが、ニューヨークで生きていくには人間らしさを捨て野生化するしかないと、食べ物を散らして笑う。セントラルパークの穏やかな散歩で何を考えたのかと思うとゾッとする。
電気やロウソクの灯りをつける、消すという動作が何度も印象的に登場する。
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