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ピグマリオンのqqfowlのレビュー・感想・評価

ピグマリオン(1938年製作の映画)
5.0
音声学の教授ヘンリー・ヒギンズ(レスリー・ハワード)が、下町の花売り娘イライザ・ドゥーリトル(ウェンディ・ヒラー)と出会い、いろいろあって、イライザを半年で上流階級のレディーにしようとして…という「マイ・フェア・レディー」の元ネタ的作品。もともとは戯曲で初出は1912年。

Wikipediaによればピグマリオンコンプレックスとは人形偏愛症のこと。つまりヒギンズ教授のこと。なるほど。

マイ・フェア・レディーはだいぶ前に見たのであまり覚えてないけど大筋は同じだったと思う。久しぶりに(この作品としては初めてだけど)見たら序盤のスパルタ教育とか教授の暴言がひどすぎて、見てるこっちがくじけそうになった。でも、その分、後半エライザが教授と対決するシーンは教授の母親や大佐を交えた心理戦がすごく面白かった。

原作者のバーナード・ショーはエライザが教授と結婚するなんてあり得ないと言い切っているそう。そ、そうだったのかー。スリッパはどこだと言われ続ける一生か、スリッパを持ってきてくれる男性と一生添い遂げるか、彼女にとってどっちがいいか明らかだろうと。そりゃまあそうよね。リアルにはそうだけど、戯曲や映画の消費者としては、教授とロマンスが発生してほしいって気持ちにもなりがちだけど、それはきっぱり否定する、そこまでしっかり考えて作られたストーリーだから今見ても面白いんだなと納得した。
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