汽笛の音で目を覚ます

血を吸うカメラの汽笛の音で目を覚ますのレビュー・感想・評価

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)
3.8
イギリスのサイコスリラー映画。たびたび『サイコ』と比較されることもあるほど、このジャンルでは有名どころの作品だとは思う。

カルト映画的な評価のされ方をしている印象だったから、どんな癖の強い作品かと少々身構えていたけど、そこまで過激だとは思わない。

原題はPeeping Tom。いわゆる覗き魔のことだけど、そこからくる異常な殺人者の心理描写がなかなか凄い。ただのシリアルキラーではなく、少し同情してしまう要素もあり、ラストも「こうくるかー」と思ったし、単純に映画として普通に面白かった。ただ悪趣味なだけの映画とは違う。

ちなみに監督は『赤い靴』や『ホフマン物語』のマイケル・パウエルだけど、この作品を撮ったことで批判されて名声は失墜したらしい。その後、ほとんど映画を撮ることができなかったとのこと。

正直このくらいの描写の作品で監督が干されるとは…という感じ。この年代のイギリスはよっぽど厳しかったんだなと思っちゃう。