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炎の戦士ロビン・フッドのにくのレビュー・感想・評価

炎の戦士ロビン・フッド(1970年製作の映画)
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『炎の戦士ロビン・フッド』(70)。G・フェローニ監督とジュリアーノ・ジェンマの『荒野の1ドル銀貨』(65)コンビによる「マカロニ・ロビン映画」。とはいえロビン・フッド物語の基本設定には忠実だし、役者陣は皆英語を話す(製作国は伊/仏/西だが、英語圏にも売ろうとしたということか)。
G・ジェンマのロビンは確かに運動神経抜群でバク転すらこなすのだが、彼がモデルとしているはずのD・フェアバンクスやE・フリンが得意としていた「壁よじ登り」は遂に見せず。してみるとロビン映画における垂直方向の運動は、戦前のハリウッド・スタジオでこそ十全に展開されたものなのかもしれぬ。ここで特筆すべきはマリアンだ。彼女はサクソン王の末裔として登場する。ロビン映画多しといえども、ノルマン対サクソンの弓競技大会に「女だてら」に参加したのは本作のマリアン(シルヴィア・ディオニシオ)だけだろう。彼女と好対照をなすのがジョン侯で、母から習った刺繍を趣味とする優男である。つまり、為政者による「圧制」という主題は本作では後退している。むしろ、ジェンマ=ロビンの方が、ドイツに捕われているリチャード王の身代金を払うべく集金作業に奔走する(集めた金は貧しい民にはビタ一文払われず)ロビンとマリアンは帰還した王に結婚を承諾してもらいめでたし×2(おいおい)。
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