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愛と追憶の日々のKのレビュー・感想・評価

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)
4.0
変な殴り方してくる。パッと見はコテコテなハリウッド式お涙頂戴ワッショイショイだし実際もかなりそうで、しかも大部分は母娘それぞれの恋愛が占めてて、愛と追憶というより完全に色ボケと色ボケの日々なのに。にも関わらず妙なところで息が詰まるような生々しい苦しさを丁寧に描き出してくるもんだからノーガードのところにいいのを喰らってしまう。逆張りとまではいかないけど絶妙にお約束を避けながら進んでいくのにリアリズムを感じて興奮する。終わり際の旦那の発言が特に凄い。そこでお前、その選択お前、よく言えたなお前、と。しかし事あるごとに「本当のことを言って」という言葉が出てきていた上で適当な誤魔化しなど出来るはずもなかろうからそれはそうなるよなと思う。ちなみに今まで観てきた映画の中でもトップクラスに「人が死ぬところ見ちゃった」という気持ちにさせられた瞬間があったので正直あのシーンだけで言えば余裕で満点。
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