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空の大怪獣Qの堊のレビュー・感想・評価

空の大怪獣Q(1982年製作の映画)
3.5
ラリー・コーエンの映画、やたらナオンとイチャつく気がする。
「この街は俺が救ってやった。でもそれがどうした」
「牧師も警察も祈れという」
「こりごりだ、このクソみたいな街にも」
とにかくセリフがかっこよすぎる。もはや『ガメラ3』の序盤のようなのが延々続く怪獣パートよりもなんでそうなるの!?っていうクズ男のチルい浮遊感あふれるストーリーラインが最高。起承転結どころか起2転5結みたいなかろうじて直線的な意味不明ストーリーが心地よすぎる。スコセッシがラリー・コーエンドキュメンタリーのなかで「かつてラリー・コーエンの映画が観られ作られていた時代があった」と言ってたけど、むしろネトフリ的保守単線映画が溢れた今こそ「撃たれたときしか新聞に載らないもんな」なんていじけて欲望丸出しでグダりまくる主人公は貴重すぎる。ストップモーションも当時のニューヨークの街並みもマシマシで楽しい。ラスト、『羊たちの沈黙』みたいなヌルヌル迫力室内射撃戦のあと死体撃ちしまくってるのウケた。
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