ちろる

男はつらいよ フーテンの寅のちろるのレビュー・感想・評価

3.5
山田洋次が一回手を離れた作品第1作目。
飛ばしていたので初鑑賞。
寅さんのお見合いのお話が出てきて大騒動のこちらの回。
結婚したいのかしたくないのかはっきりしない寅次郎ですが、お見合い当日はまるで借りてきたネコのように、なってしまって。
「結構マジで挑んでんじゃねーか..」と失笑してしまう。
見合い相手がなんと、顔なじみの女中で孕ってる亭主持ちの女性だったので、早々にお開き。それどころかへんな兄貴節見せつけて亭主との仲を取り持って熱海までのタクシー代を出しちゃうというめちゃくちゃなやりよう。
おいちゃんおばちゃんは勿論、ひろしとの本気の大げんかを初めて見せるのはこの回。
どう見ても寅さんが悪いけど、それでもかばうさくらの兄想いぶりが泣かせる。
ほんと、さくらがいて良かったね、寅さん。
この回で一方的な片想いをするのは料亭の美人女将さん。
全くもって成就する訳のない美女と野獣ぶり。
トラブルだらけの弟の迷走ぶりに悩む女将さんに言う「インテリっていうのは〜」の的確のフォローぶりが早々に寅さんの貫禄を感じさせてくれる一幕もあり、ふられたとはいえ、愛した女将さんの人生の大きな決断において寅さんが大きな存在になった事は間違いないでしょう。
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