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復讐のダラス/怒りの用心棒のarchのレビュー・感想・評価

4.0
ケネディ暗殺から6年後に制作された大統領暗殺事件に纏わる西部劇。
ケネディ暗殺事件からのトレースが施された暗殺シーンも面白いのだが、冤罪で拘束され保安官に殺されるのが黒人というのも今の方が示唆的に感じる部分だろう。またマカロニには珍しいサスペンス風味が至る所にあり、裁判シーンがあったり、推理シーンがあるのも面白い。銃による決闘に頼らずに、様々なシチュエーションで複雑な対立構造を描ききった点も素晴らしい。

特筆すべきは、「保安官」の扱いだろう。本作では保安官=悪党集団ぐらいの扱いに次第になっていく。「保安官」が悪党は、『真昼の決闘』以降珍しいことでは無いのだが、本作の執拗さは凄い。特にバッチが呪いかのように扱われ、正反対のシンボルとして利用されていく流れはこれまでにないウエスタンだと感じた。

ジュリアーノ・ジェンマの中性的でカリスマ性のある演技も良かった。


余談だが、ロドリゲス的な松葉杖銃を確認。
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