最高の一言。これぞキッチュなジャッロ。悪趣味の極み。だがそこにはボグリアーノの美学が確実に存在しているのだ。
水着姿のラテン系美女、唐突に挟み込まれる容赦ないゴア描写。音楽の使い方も上手く、粒子が荒く安っぽい映像すらももはや心地良くなっていく。
拉致された女性たちの個々のエピソードもわりと丁寧に描かれていて、ストーリー性を丸投げしていないところも素晴らしい。やった方はすぐに忘れるが、やられた方は一生忘れない。その立場が逆転しているなんとも胸がムカつく復讐劇であった。つまるところボグリアーノはやはり頭がおかしい(めちゃくちゃ褒めてる)。
ちなみに本作、スパニッシュ・ホラー・コレクションという冠が付いているが、ぶっちゃけボグリアーノ・コレクションでいいよね？
これとよく似たスパニッシュ・ホラー・プロジェクトなるものも存在するが、フランシスコ・プラサ(パコ・プラサ)の『クリスマス・テイル』しか観たことがない。よくよく考えればバラゲロ、マテオ・ヒルなども参戦していて何気にスゴいプロジェクトである。
