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デビッド・クローネンバーグのシーバースの堊のレビュー・感想・評価

3.8
これをみてクローネンバーグがウェルベックやニックランドに言及されまくっているのもわかった。『ハイライズ』的な超高層ビルで起こる『エイリアン』。「すべてはエロティック」の言葉は70年代を皮肉った言葉としてではなく、現代における「恋愛ヒエラルキーの形成と闘争領域の拡大」の犠牲者たちにはガチに響く。はじめからセックスに和姦も強姦もなく、ただ人称を剥ぎ取られて機械化された運動と暴力だけがある。
「腰を振る姿は犬に似ている?いや、全てに似ている」
堊