ハンスウ

シュリのハンスウのレビュー・感想・評価

シュリ(1999年製作の映画)
4.5
のんびりペース、7ヶ月くらいでやっと100本目のレビューです。100本目だからどうっててことは何もないんですが、一応節目だし何を観ようかちょっと悩みました。いま私はトップガンマーベリック熱を発症してしまっているので、じゃあ、トムの過去作でも観るか、とも思ったんですが、ここは切り替えて韓国映画に愛を込めて、うちのDVDコレクションの棚にある「シュリ」を。DVDを観ること自体、3年ぶりくらいです。

初めて覚えた韓国人俳優の名前はヨン様でもなければジウ姫でもなく「ハン・ソッキュ」でした。そして「シュリ」は日本で初めて大ヒットした韓国映画。これをきっかけに次々と日本で韓国映画が公開されるようになった。出演者のハン・ソッキュもチェ・ミンシク知られるようになり、ソッキュ主演作で何度か脇役をやっているソン・ガンホは、もう、言わずもがな。

本作、実は一回目を観た時、アクションはスゴかったけど特におもしろいと思わなかったんですよ。なぜかというと南北分断という朝鮮半島の歴史をまったく知らなかったからです。その後ほったらかしにしてた映画でしたが、「シュリ」は韓国映画を語る時に必ず話題になる映画だったからやっぱり気になって映画の背景をちゃんと調べようと思ったんですよ。そうして最低限の知識を得た上で観た2回目以降は、もう、毎回同じとこで感動してしまう名作になりました。

ストーリーは南北分断を背景に韓国にしか作れないものだけど、アクションシーンはアメリカ映画を一生懸命勉強したのか、市街地での銃撃戦シーンなんかは、本作の数年前に公開された「ヒート」を彷彿とさせる。といっても、ただのマネ事には終わらず、韓国にしか出せない熱を感じ取ることができるほどのものです。後半は思いもよらぬシーンの連続、初めて観る人には読み取るのが難しい展開があっての、毎回泣いてしまうあまりにも苦しくて悲しいクライマックス。

エピローグは、今観るとよくある韓国風のセンチメンタルになるんだけど、音楽が流れて美しい海を背景に終わるだけでなく、韓国の同じ民族である北に対する思いを理想的に語っているような気がして、余韻がしばらく続いてしまうシーンでした。
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