爆裂BOX

デス・クリーチャー/殺戮変異体の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.2
軍刑務所に収監されているファーガソン少佐は特赦を条件に中南米で消息を絶った特殊部隊の捜索を命じられる。ならず者兵士を部下にジャングルに向うファーガソンだが、そこで待っていたのは天才犬アインシュタインと怪物アウトサイダーだった…というストーリー。
こんなタイトルですが、「ウォッチャーズ/第3生命体」に続くディーン・クーンツ原作の「ウォッチャーズ」をロジャー・コーマン製作で映画化した第三弾です。一応「ウォッチャーズ2」の後日談のような内容ですが、サラッとおさらいされますし、役者も変わっているので今作だけでも鑑賞できます(自分は「2」見てませんが問題なかった)
特殊部隊捜索の任務と言われながら実際は二体の生物兵器の実施テストの為に送り込まれたファーガソン達ですが、アインシュタインとファーガソンが旧知の中だったことから共にアウトサイダーに立ち向かっていきます。ジャングルに秘密任務で派遣された特殊部隊が怪物と戦うというストーリー展開からわかるように完全なる「プレデター」フォロワー作品で、もはや原作の名残はほぼ残ってないですね。サーモグラフィっぽいエフェクト掛かったアウトサイダーの主観視点や、吊り下げられた死体、銃弾取り出して痛みに咆哮上げる怪物などまんまですね。
怪物アウトサイダーは鱗に覆われた両生類感強い姿で着ぐるみ感強いですが、首引きちぎったりはするけど特に目立った特殊能力もなくて、原作にあった悲哀もなくて魅力は薄いですね。水面に映った自分の姿見て叩いたり、「奴は決められた生き方しかできない」みたいな登場人物の台詞にその名残感じられるけど…前述の首引きちぎりや鋭い爪で肉裂いて肋骨見えたりちょっとしたゴア描写もあります。
反対にアインシュタインの方は現地の孤児の少年の傍にいて守ったり、木の棒で地面に文字書いて危険知らせたり時限爆弾見つけて知らせてくれたりとお利口ぶり披露してくれますし、ファーガソンとは吠え声で会話できる絆の強さを見せてくれてラストバトルで倒れたファーガソンに銃咥えて持ってきてくれるサポートぶりも可愛い。
ジャングルでふさふさした毛並みのゴールデンレトリーバー見つけても誰も疑問に思わなかったり、移動中に女兵士に襲い掛かろうとしたりと味方の兵士のポンコツぶりは酷いですが、紅一点の女兵士が早めにやられたりするちょっと予想外した展開はちょっと楽しかった。
クライマックスのファーガソンとアインシュタインと少年が手作りの武器やトラップでアウトサイダーと戦う展開も「プレデター」感強いけど楽しいですね。
原作とはかけ離れすぎた作品になりましたが、B級モンスター物としてはそれなりに楽しめる作品だと思います。犬好きな方ならアインシュタインの活躍見てるだけでも楽しいでしょう。