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フィラデルフィア物語のメルのレビュー・感想・評価

フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)
3.8
フィラデルフィアの大富豪の娘トレイシーはその気の強さから1度目の結婚は失敗に終わり、今回新たな恋人と再婚する運びとなった。

しかし未だ彼女に未練のある前夫が結婚前夜のパーティーに大衆雑誌の記者を連れてやって来た。
マスコミ嫌いのトレイシーだったが「父親の愛人スキャンダルを暴露しない」という条件と引き換えに嫌々ながら結婚パーティーに前夫と記者を招待することになり…という話。

何と言ってもキャサリン・ヘップバーン、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュアートという往年の大スターが揃っているのが見所の一つ。

特に雑誌記者でやって来たジェームズ・スチュアートは大活躍で、パーティーで着るダブルのスーツ姿が大変美しく、彼は今作でアカデミー主演男優賞を取っている。

これはヘップバーン自身が主演でブロードウェイの舞台劇だったものを映画化したものという事で、会話が多い上に意味深な台詞も多い。
「顔もスタイルも美しい人間でも、その心に思いやりというものが無ければそれは銅像と同じだよ」等々。
その会話を楽しく面白いと感じるか、くだらないと感じるか…。

今作はその後モナコ王妃となったグレース・ケリー主演で「上流社会」という作品にリメイクされている。
ビング・クロスビーやフランク・シナトラ、ルイ・アームストロングも加わったそちらは、ちょっとミュージカル風でそれもまた楽しい。
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