コマミー

ブルー・カラー/怒りのはみだし労働者どものコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
[不満]

ポール、レナード・シュレイダーといった怪物コンビが、「労働環境」をテーマに描いた作品。

ジェリーとジーク、スモーキーの3人が中心。3人が働く自動車工場では、給料が安いし、挙げ句の果てには、工場の組合は従業員の壊れたロッカーすら直してくれない。バカにならない位、劣悪な労働環境。僅かでもこの状況から脱するために、組合の事務所の金庫を盗みだし、それをネタに組合を恐喝しはじめるが…。

なんといっても、これがポール・シュレイダーの監督デビューとなった作品。なるほど…。どうしてそう思ったかというと、ちゃんと自身の作品である「タクシードライバー」の流れを汲んでいるという事だ。冴えない男が躍動を見せる物語なのだ。
作品的には、「傑作」とまではいかないが、カルト作であることは間違いない。

因みに、脚本に参加しているレナード・シュレイダーは、ポールのお兄さんであり、だいの親日家である。2006年に他界してるが、日本の作品にも数多く参加してきた。この人の作品もなかなか良いのだ。

さて、この作品は、「労働者のつもり積もった怒り」を描いた作品で、今はどうだか分からんが、この頃の労働環境はなかなか厳しいのだなと感じた。自分の勤め先も工場だが、これほど悪くない。当時の労働事情を、隈無く知ることができる作品だった。

あなたの職場はどうですか?工場、事務系問わず…。
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