月うさぎ

空飛ぶペンギンの月うさぎのレビュー・感想・評価

空飛ぶペンギン(2011年製作の映画)
3.5
ペンギン好きにささげる映画です!(・θ・)
とにかく彼らが動いているだけでなんだか楽しくなってくるから不思議。

ジム・キャリー, アンジェラ・ランズベリーの出演とくれば、もう…
彼らの演技は観ているだけで嬉しい。
特にジム・キャリーは大部分がペンギン相手の一人芝居になる訳です。
それって、すごいことですよね~。
対人間相手だとオーバーに見えがちな彼の表情もやり過ぎ感無しです。
だって同じ画面に入ってくれば、普通ならペンギンのほうに目が行きますからね。
“p”の頭韻を踏む秘書ピッピ・ペポノポリスもかわいい。
原題は、Mr. Popper's Penguinsですが、そういわれて、このタイトルがそもそもPの韻だったんだと初めて気づきました。

ペンギンがチャップリンの映画が大好きっていうのもワザとらしいと思いつつもウケました。
『担え銃』(1918)、『キッド』(1921)、『チャップリンの黄金狂時代』(1925)、『サーカス』(1928)
が使用されているそうです。
ペンギンは基本CGのようですが本物も使われており、その使い分けがわからないほど上手です。本物探しにチャレンジしてみませんか?ペンギンって凄い。本物でも作りものみたいなフォルムと質感。
(ほとんどの人がフルCGだと思っているみたいですよ)


物語としてはヒューマンな部分に関してはかなりイージーですし、悪役だってもっとすごい裏があるのではないかと想像した割に肩透かしだったりしますが、
ま、細かいことを言うのはヤボ。『主役はペンギン』ですからね。この映画は。
トータルとして安心してみていられるファミリー映画です。


原作は「ポッパーさんとペンギン・ファミリー」という児童小説。
極地オタクのペンキ屋さんのポッパーさんが主人公で1930年代のアメリカが舞台でした。
当時はペンギンという鳥の存在は名前も知られず、姿も見たことがない人たちばかりだったようです。

映画では現代に時代を移し、主人公トムの「父親」が冒険野郎です。
旅先で亡くなった父からの最後のお土産として贈られてきたのが愛を込めたメッセンジャー。
ペンギンだったのです。

ストーリーは全然違うので、原作というよりも原案というべきでしょう。
邦題はネタバレだし、本作のメインのテーマとは違うのでふさわしくないと思うんですが。

なお、原作のペンギンはアデリーペンギンですが、映画ではジェンツーペンギンに変更されています。
すごく細かいことを言うと、ジェンツーペンギンは南極大陸で生息しているというよりは、もうちょっと北のフォークランド諸島あたりが生息地域になります。

もっと言わせてもらうなら南極に住むペンギンの餌は、魚じゃなくてオキアミなんです。
だから魚でペンギンたちを釣るシーンは間違いなんですよ~。
月うさぎ

月うさぎ