てるる

マイネーム・イズ・ハーンのてるるのレビュー・感想・評価

マイネーム・イズ・ハーン(2010年製作の映画)
4.5
アメリカの大統領に会いに行く。

そう言った1人のインド人が9.11後のアメリカを騒動に巻き込んでいく。
何故彼はアメリカ大統領に会わなければならないのか。
その理由が悲しく、切ないもので…。

予想よりも重いテーマ。

主人公リズワンがアスペルガー症候群のため、次々と誤解を産み、嘲笑される。

更には人種や宗教を対象としたヘイトクライムも描かれる。
そして更なる負の連鎖。

9.11直後で悲しみに包まれたアメリカで起きる過剰反応。
テロは全く関係なくとも、人種を偽り、信仰を隠さねばならない人々。

アスペなので良くも悪くも隠せないリズワン。
でも彼の純粋な行動が人々の心を動かし、それがやがて大きな渦となっていく様は感動的。

お母さんの教えが正論すぎて感銘を受けた。
それがリズワンの心の礎となって支え続けたの泣ける。

ハリケーンのくだりとかもガン泣きした(꒦ິ⌑꒦ີ)
兄弟愛と、そして夫婦愛にも泣ける。

インド映画って重いテーマをきちんとエンタメとして昇華出来るのがスゴい。

インドの大スターは人種や身分を超えた団結を謳うことが多い。

インド師匠からの受け売りだけど、三大カーンに数えられるシャー・ルク・カーンなだけに、この映画もまさにそうだった。

こんな名作が日本じゃDVDスルーだったのが切なすぎる。
もっとインド映画の面白さが広がって劇場公開される機会が増えるといいな。
てるる

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