前半の親子3人で暮らしている姿が楽しそうで幸せそうで、後半のつらさが倍増になります。
息子がとても可愛くて良い子で、マンディラがいかに愛情を注いで大切に大切に育ててきたのかが伝わってきました。
息子を亡くし、更にイスラム教徒への迫害が進む中で、ただ真っ直ぐに妻との約束を果たそうとするハーンの姿が胸を打ちます。ママジェニーと出会い、教会で歌うシーンは特に印象深いです。
そしてインド国内における宗教問題も興味深かったです。ヒンドゥー教が約8割、イスラム教は1割程度と言われていますが、違う宗教の人と結婚するときの困難さや、他宗教への差別意識なども見え、同じインド映画の「PK」を思い出しました。
インドでもアメリカでも、宗教=こういう人という決め付けが問題の始まりなのかもしれません。
ただ、ハーンのお母さんが言っていた「宗教による人間の区別はなく、良い人と悪い人という違いがあるのみ」というのは、前半は理解できるが、後半はちょっと違和感がある。曖昧な説明を理解できないハーンのためだとは思うけど、良い人悪い人の区別もできないと思う。
そこがざらりと心に残りました。
本筋に関係無いけど、ボールが心臓に強く当たると心停止を起こすこともあるらしいし、本当にイジメは殺人と同じ行為だってことを若い内から知っておいた方が良いなと思った。死んでしまったら謝っても済まされない大問題。