デブさん

サンシャイン・クリーニングのデブさんのレビュー・感想・評価

3.0
シングルマザーで掃除婦として働いてたローズ・ローコウスキは、息子のオスカーをプライベートスクールにいれるために、より稼げる仕事を探し、事故物件の清掃事業を立ち上げるが……という話。

ローズ、オスカー(息子)、ノラ(妹)、ジョー(父)のローコウスキ一家は貧しい生活を送っている。
ローズは高校時代はチアリーダーとして華々しく活躍していたが、今では掃除夫として働いており、オスカーは軽度の知的障害かなにかわからないが少しおかしいところがあり、ノラは仕事をつづけられないタイプで、ジョーもなんだか少しおかしい…

彼らは、怠けているから貧乏というわけではなく、お金の使い方や努力の仕方が下手くそなタイプの貧乏で、見ていてつらいし、イライラする部分が多々ある。
たとえば、ローズは事業が軌道にのりそうな大事なところでノラ一人に仕事を任せてベイビーシャワーなんてくだらないイベントに行ったり、オスカーは素人なのにエビを転売しようとして失敗したり…なんでそんなバカなことするの?と思うようなことをする。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を見てイライラした人は100%イライラすると思う。

「貧乏だけど幸せ」系のお涙頂戴映画だと、主人公に肩入れできるように、そういうイライラはできるかぎり排除するほうがベターかもしれない。しかし、この映画は貧乏人を聖者化せずに、ローズを世俗的にしている。
たとえば、オスカーをプライベートスクールにいれようとしていたり、ともだちを見返そうとしておしゃれしてベイビーシャワーに行って事故物件の清掃を誇張して話したり…
そういう見栄っ張りが生々しくて「貧乏だけど幸せ」系の映画のなかでもパンチが効いている。人ってやっぱりこういうものなんだろうという本質をついているからこそ、イライラするところはあるけれども、ラストまで見たいと思える。

正直な感想としては、こうはなりたくないし、やっぱり貧乏は嫌だなということだった。しっかり働こう…
デブさん

デブさん