デブさん

ウォールフラワーのデブさんのネタバレレビュー・内容・結末

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

チャーリーは精神を病んだ文化系の孤独な男子高校生。ふとしたきっかけで上級生のパトリックとサムに出会い、彼にようやく居場所ができる。チャーリーはサムたちの友人のエリザベスと知り合い、サムに惹かれながらもエリザベスと付き合う。
エリザベスの束縛的な交際に嫌気が刺していたチャーリーは彼女の目の前でサムにキスする。最悪の形で二人は破局し、チャーリーはグループからも距離を置くことになる。
パトリックのケンカをとめたことからチャーリーは再びグループに戻ることができ、サムと一夜を過ごそうとするが、叔母から性的虐待をうけていたことを思い出し、精神的に不安定となり、入院する。
退院後、トラウマを乗り越えたチャーリーは、サムとパトリックに再会し、ハイウェイをドライブする中でwe're infineteと感じる。

ごちゃごちゃとあらすじを書いたが、結局骨子は孤独でナイーブな少年が自分の居場所を見つけて、でも、せっかくできたその居場所をめちゃくちゃにするようなことを自分でやってしまって、後悔し、なんやかんやで少年が成長してという話。
パーティ、ドラッグ、性的虐待、男女混合グループ内での恋愛ゴタゴタ…思い返せば、自分の学生時代と重なるようなものはない。
しかし、開始20分ぐらいで胸がいっぱいになる。孤独な少年に居場所ができるという話に弱いというのもあるが、キャスティングがすばらしいのもある。
エマ・ワトソンは言わずもがな、ゲイでありやや前衛的な性格のパトリックを演じたエズラ・ミラー、チャーリーをサポートする国語教師の役にポール・ラッド…皆ハマっている。

わたしは学生時代に戻りたいと思うことはない。あんなもの、またやれなんて言われたら気が狂ってしまう。でも、あの特有の閉塞感、万能感、孤独にさいなまれるときにしか築けない関係、できないことというのは確かにあって、その片鱗を少しでも思い出そうとしてこういう映画をみるんだろうなと思う。
デブさん

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