ちろる

クラック!のちろるのレビュー・感想・評価

クラック!(1981年製作の映画)
4.5
はじめはとある農夫の営みを描く物語だと思ってた。
そしたら主人公はどうやらこの農夫の作ったロッキングチェアーらしい。
よく見ると、このロッキングチェアの背もたれにかわいいお顔があって、この家族と共に笑ったり、悲しんだり、困ったりしている。
家族のように共に暮らしていても、人の心は移ろいやすいもの。
そして物もまた、衰える。
人間の無慈悲さに切なくなるも、また再生を予感させるラストにホッと胸を撫で下ろして、とても温かい気持ちにさせられた。
私はこの手のお話がものすごくすき。
バージニア・リー・バートン「小さいおうち」よように万物に命があり感情もあると教えてくれる優しい物語。
子どもの絵本をめくってるような優しいタッチの作品だけど、実は大人の心に染みる物語なんだと思います。
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