このレビューはネタバレを含みます
柏木沙絵の、人の不幸が自分の幸せという性格は気分が悪くなるほど。
一方、好きな人の幸せが自分の幸せだと言って、安達ももを無理に奪わない岡安浬は対照的。
その対比もあって、自分より他人のことを優先して考える、というのが裏のテーマになっている気がした。
安達桜子の、自分を幸せにしてくれる人ではなくて自分が幸せにしたい人を選ぶのが最高の恋の見つけ方だという台詞も、そのテーマに沿っていて印象的。
一流の大学に行って一流の企業に行ったものの借金を抱える兄と、父と対立しても自分のやりたい夢に真っ直ぐ進む弟という岡安家のドラマも、考えさせられるところだった。
恋愛が主題ながら、生き方にも思いを巡らされる作品。
最後に、ももが駆け付けた時に浬が海に打ち上げられていて、ちょっとした人口呼吸ですぐに息を吹き返すのは、映画とは言え不自然。