ぽち

竜馬を斬った男のぽちのレビュー・感想・評価

竜馬を斬った男(1987年製作の映画)
2.5
破天荒な人生が魅力的なショーケン。
芝居も独自の世界を持っていて、それを懐かしく眺めるための作品と言っていいだろう。

ただ、ショーケンのオーバーアクトはハマると良いのだが、今作のように時代劇で、ただでさえ基本が力んだ演出。それに乗せるとハズレてしまう。

バブル期の量産映画の一つとして、アイディア一発の「ショーケンに時代劇」って作品。
当たれば儲けもの、ハズレても「まぁ、いっかぁ~」ってノリで造られているので、こちらもその程度の気合で観ると楽しめる。

良くも悪くも、何を演じても「ショーケン」なのが笑える。

ショーケンとは違う意味でイッちゃっている藤谷との共演というのも興味深いところだ。
でも共演と言っても演技がまったくできない藤谷はほとんどセリフも無しのカメオ程度。手紙に合わせてのナレーションの素人っぽさが彼女らしい。

ショーケンは我儘なガキがそのまま大人になった危なさだが、藤谷の場合は本当に壊れちゃっているので、あまりいじると可哀そうってレベル。
十年ほど前にゴミ袋持って徘徊している写真が話題になったが、今どうしているのやら・・・

ショーケンのオーバーアクトを懐かしく見れる人は楽しめる作品。


余談。
ショーケン、藤谷とアブナイ2人だが、それと対照的に艶のあるゲイシャを見事に演じていた島田陽子。

良い女優さんだと思うのだが、その晩年はかわいそうな最期だったようだ。

「死後の7月26日の通夜、翌27日の告別式の後に荼毘に付されたが、近親者とは疎遠であったため遺骨の引き取り手が現れずに渋谷区で保管されていると報じられたものの、元マネージャーが8月2日に確認したところ、未だ荼毘に付されておらず、遺体はドライアイスで防腐処理を施されて保管されていた。結局8月上旬に渋谷区が荼毘に付し、15日にはマネージャーに遺骨が引き渡されている」

子無し夫婦が多い現代だが、子孫は残しておいたほうが良いって思えてしまうなぁ・・・・
ぽち

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