脳溢血で倒れて25年、半身が動かない中、車椅子で落語を続ける林家かん平と彼を取り囲む仲間のドキュメンタリー。
日々の厳しいリハビリ生活を支える想いが伝わってくる。
病に倒れた後、別れた娘ふたりの20年前の写真を眺め「もう一歩頑張ろう」。何度も自分に言い聞かせるのは、以前の朝ドラ「梅ちゃん先生」の台詞「頑張っていれば、神様はいつかご褒美をくれる」。それを幾度も口ずさむ。
そんなかん平師匠を囲う仲間たちは、彼の新作落語のネタをぼこぼこに面白くないと言う。その辺りのおかしみがある。
身が不自由なのに、同居する母は寝たきりで2人暮らし。老々介護の極致だが、それでも彼は夢を見る。創作落語で人を楽しませたい。ささやかな暮らしに希望を失わない。
「頑張っていれば、神様はいつかご褒美をくれる」
もしかしたら、そうかもしれない。
彼ほど、頑張っているならば。。