めしいらず

下宿人のめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

下宿人(1926年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ヒッチ最初期の佳作。サイレント映画。霧のロンドンで連続するブロンド女性殺人事件。ある夜、噂に聞く犯人の風体に似た男が主人公の両親が営む下宿に現れる。夜になるとこそこそと如何にも怪しげな様子で外出する彼を両親は怪しむけれど、主人公は次第に彼に惹かれていき…。下宿人は果たして連続殺人犯なのか。観客をミスリードしておいて実は…な展開はままあるけれど、物語のかなり終盤までどちらにも見えるように作られているのがさすが。下宿人の怪しい行動の理由も腑に落ちるものであり抜かりがない。暴走する集団心理への筋運びも巧みだし、画作りも印象的。ただ犯人逮捕がこの物語の枠の外であるのは残念。それにしてもブロンド美女を酷い目に遭わせるヒッチコック流儀は執念深く一貫しているなあ。
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