藻尾井逞育

ダージリン急行の藻尾井逞育のレビュー・感想・評価

ダージリン急行(2007年製作の映画)
4.0
「僕たちには絶対に人生を変える旅が必要だ。」
「象徴的じゃないか。"僕たちの居場所は不明"。」
「友達になれるかな、兄弟でなく人間として。」

父の死以来絶交していた三兄弟が、長男の呼びかけでインド・ダージリン急行の旅に集まる。この旅で三人の仲直りをという建前だったが、実は長男はある計画を持っていた。

架空の列車ダージリン急行(映画に登場するのはインド横断鉄道でジョードプルからジャイサルメールまでの区間で撮影したそうです)を旅する三兄弟が途中下車したりさせられたりしては巻き起こす騒動といった、ユル〜い感じのロードムービーです。父の死後疎遠になり、それぞれの生活で悩みや問題を抱えているので、兄弟とはいってもはっきり言ってお互いがストレス⁈しょうもないことでケンカしてみせますが、いつのまにか各人の抱える大きなしがらみから解き放たれ、お互いが気遣い心を通わせ家族を再生させていく様子が良かったです。映画の最初では大きな荷物を抱えて必死になって列車に乗り込んできますが、最後になるとその荷物を放り出して列車に乗り込んでみせます。
高台から見下ろす青い建物がひしめくジョードプルの街並みをはじめ、インドの魅力も盛りだくさん。学生時代の友人が「インドに行くと人生観が変わるぞ」と言っていましたが、私も人生を変える旅、してみたいです⁈