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土曜日正午に襲えのzhenli13のレビュー・感想・評価

土曜日正午に襲え(1953年製作の映画)
4.4
素晴らしい!撮影編集がタイトでだれるところが一つもなく大変面白い。闇夜に逃げるチャールズ・ブロンソンなどもノワールとしての醍醐味たっぷりだが、何より昼光下や警察署内のしらじらとした部屋内がほとんど記録映画のようで徹底して乾いており、それが異様で見入ってしまう。そのドキュメンタリータッチは特にラストの街の風景でロバート・フランクのストリートスナップなどを想起させる。警察署内の乾いた画面にやや仰角で捉えられる、爪楊枝をくわえたスターリング・ヘイドンの非情なやさぐれ具合がまた映える。かと思えば深夜の動物病院の妙に高い天井を湛えた空間造形が印象的で、獣医が抱きかかえる犬(可愛い)の登場でここだけにわかに抒情を感じる。『ウンベルトD』を思い出さずにいられようか。保護観察中のジーン・ネルソンとフィリス・カークが暮らす部屋も、そこでの幸せな瞬間はほぼ無いのだけど妙に印象に残る。受話器を取る手と手と会話だけのショットがとても粋。短めの髪で毅然としたフィリス・カークも好かった。

ところで当初はハンフリー・ボガートとエヴァ・ガードナーがキャスティングされていたのをアンドレ・ド・トスが強硬に反対したとのこと(下記リンクより)スターリング・ヘイドンで絶対よかったと思う。ひん曲がった煙草に火をつけてすぐ捨てて爪楊枝に戻すやつ、ニヤリとなる。

https://www.random-noir.net/crime-wave-1954/
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