土曜日正午に襲えの作品情報・感想・評価

「土曜日正午に襲え」に投稿された感想・評価

堊

堊の感想・評価

3.5
初アンドレドトス。マンのセミドキュメンタリータッチ的な方面をバッキバキに決めたショットと長回し(ルイスっぽい)でやっている。そこまでルイスみたいにべつに画面が何かでボカされたり障害物が置かれたりはしていないけれど、左右対称な画面とか、冒頭のガソリンスタンドでカメラの前に大きく塞がるピントの合ってない背中とか、あまりにもイマっぽい古臭くない画面が見れて、ノワールからキューブリックへみたいな話、そりゃしたくなるよね。
たとえば別の部屋で鳴った電話によって会話が中断され、別の部屋に行き電話を下すとすぐ後ろには別の誰かが立っている。さらに電話相手のカットに飛んで、その相手はまた別の運転中の誰かに無線で連絡する。さらに車は街に指名手配になった犯人の名前を呼びかけ、それを聞いた犯人たちは闇に潜む。よくある表現なのだけどそうしたメディアによる包囲網をノワール的なアクションの語りに組み込むことをここまで徹底してる映画もあんまない気がする(まだ全然ノワール見れてないけど)。そしてシネフィルがピンク映画観まくる理由もわかった。逆にいまスマホを携帯することによって映画が撮れないことが改めて実感させられたし、また別の方面へ進化する(常に見れる状態のLINEを見る/見ないへ、スプリットスクリーン的な方面へ…)ことも面白い。黒沢清の近作は本当にそのことのに自覚的な気がする。スマホを常に持っていて「接続」されっぱなしの中でどのように断絶とか孤独を描くか、というか…。
白眉は通報するおっさんの家に忍び込んで襲うシーンで演劇的に平面で異様な部屋をカメラで映してから、首を絞めた瞬間に倒れた灯りがクロスできらめくところだと思う。
撮影は『駅馬車』のバート・グレノン。この年だけでアンドレドトス4本撮ってるのウケる。

カウボーイビバップでしか見たことなかったようなガン曲がったタバコを出して吸うスターリング・ヘイドンのラストを観てたらやっぱり『現金に手を出すな』観たくなった。
cinemaQ

cinemaQの感想・評価

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ガソリンスタンド襲撃から70分、ずっと面白い。一発の銃声から連鎖していく感覚がたまらない。
終盤出てくる歯を見せながら喋る奴とか獣医とかいちいちキャラが濃い。
爪楊枝かじりまくりのスターリング・ヘイドン激シブ。ラストカッコよすぎ。
若き日のブロンソンもいます。
人物の配置とカメラの置く場所が本当に好き。奥行きを表現する上で人間の動きこそが最重要視されてる。電話の受話器を取るクロースアップがチョー格好いい。シンプルだけど、受話器を取る手はこのアングルしかないっていうところにカメラが置かれてる。
これは傑作。冒頭のGSでの連鎖暴力から息つかせぬ描写力。何気ない猫の動き、店で佇む人々などを画面内に配したドキュメンタルな空間作りに痺れる。ド・トスのベスト作候補。
イワシ

イワシの感想・評価

5.0
『無法の拳銃』を最高傑作って言ったけど、これも普通に最高傑作。スターリング・ヘイドンが素晴らしいです。
73分でこの濃度。前を向き続けるジーン・ネルソンは画面の進行方向(右)に向かい続ける。映画はそれに対峙してきたスターリング・ヘイドンも前に向かって歩み始める所で幕を閉じるのだが、この進行方向への(左から右への)振り向きに使われる楊枝/タバコの演出が粋。