いち麦

地下室のメロディーのいち麦のレビュー・感想・評価

地下室のメロディー(1963年製作の映画)
5.0
アラン・ドロン追悼鑑賞。フランスの大人気俳優ジャン・ギャバンとの共演作品。即席泥棒チーム3人がカンヌにあるカジノの金庫から大金を強奪しようと大胆な策略に出る。

老獪なシャルルを演じるジャン・ギャバンはどちらかといえば脇役。寧ろ、ほぼ1人で危ない実働を請け負うチンピラ青年フランシスを演じるアラン・ドロンの方が見せ場は多く主役と言えそう。女性に取り入る色男の手慣れた様子と多くのアクシデントと格闘しながらも突き進む不慣れな泥棒アクションとのアンバランスがコミカル。傷を負った美しいマスク、細やかな表情演技も加わりアラン・ドロンがとても魅力的に映っていた。最高。
最後プールサイドの場面は、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンが離れた場所から交わす視線と側で聞こえてくる会話とがスリリングに束ねられ、呆気に取られるような結末に辿り着くまで心底よくできた素晴らしい演出だと思う。今見ても拍手を送りたくなる。

ミシェル・マーニュによる、オルガンを加えたビッグバンド・スイングの主題歌も記憶に残る名曲。
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